ニコラ・グリフィスは「バーチャル・ガール」がサクサク読めて
楽しかったが、あれはあれでなんだかアニメっぽい(良くも悪くも)
感じ。ん〜、ちょっとハードSFな「魔女の宅急便」みたいな(謎


スロー・リバー (ハヤカワ文庫SF)

スロー・リバー (ハヤカワ文庫SF)


「スロー・リバー」は、も少しテーマが重い。というか、ビジュアル的に
雨やら下水道やらといった重かったりばっちいところが舞台ってことも
あるのだが、その中でもそっと緑が芽生えているようなほっとする
きれいさもあったりする。


SFとしての題材は高度なコンピュータネットワークとバイオテクノロジ。
遺伝子操作によって作り出されたバクテリアが重要なキーとなる。


ナノレベルの話だと、「極微機械ボーア・メイカー」(リンダ・ナガタ)の
ナノマシンが思い浮かぶけど、社会や環境に置ける位置づけとしては、
あんな華やかさはなく、似て非なるあつかい。どっちかといえば、
こっちのほうがリアル(まぁ、ナノマシンよりバクテリアのうほうがリアルってだけかも)。


時列が交錯したり、いくつかの流れがあるので複雑な構成になると
思いきや、かなりテンポ良くまとまっていて、とても好きな話のひとつ。