螺旋に回転する世界/闇は知っている


螺旋に回転する世界―He said,“LUV U 4 EVER.”

螺旋に回転する世界―He said,“LUV U 4 EVER.”

友人と言うとおこがましいが、知人の著作。
世界観と展開にぐいぐい引き込まれて一気に読破。


いわゆるパラレルワールドを扱っているが、互いの世界への関わり方の
制限や、事件そのものの期限の迫り方など、枠の設定に無理/無駄がなく、
そそられて読んでいける。
非常に根本的で基本的なミステリの原点とも言える「どうなるんだろう?!」感
がすごい。


ただ、、、、うう、これ読むかなぁ、著者がここを読むかもしれない
ことを考えると書きにくいが、最後のどんでん返しと、「実は・・・」
の部分については、途中までの期待が高かっただけにちょっと肩透かしを
食らってしまった。


後半の文章のムラも若干感じたりで息が上がってしまった感があり残念。


とはいえ、世界観の構築やキャラの立て方は、むしろ手馴れた感じもあり、
秀逸と言える。


闇は知っている (新潮文庫)

闇は知っている (新潮文庫)

久しぶりに池波を読んだかも。
ラストは池波ぽくない部分があるが、まとめ方を反芻するとなるほどの池波節。


ただ、ボリュームとしてかなり突っ走った感があり、もう少し欲しかった。
いや、展開からするとこれでよかったのかなぁ。。。


主人公がのっぴきならない事態に入っていく下りはスリリング。
もう1つくらいプロットが入ってもいいんじゃないかと思うが、微妙なところ。


良い意味での「読み足りなさ」のようなものはあったかも。