D&D4.0e お試しセッション『Kobold Hall』

D&Dの新しいエディション「D&D4.0e」が出たのでお試ししてみましょう〜、という羽生氏の呼びかけに参加させてもらいました。

PHB付属のシナリオだったので、まだ未見の方も多いと思われるため話しの筋と詳細は割愛*1


種族とクラスを選ぶのは前のエディションと同様。
能力値もポイント割り振り、規定の値の並び替え、とダイスでの決定はますます推奨されなくなった(禁止はされてないが)。

キャラクタ作成は、種族を選んで能力値を割り振り、種族ごとの能力値修正を適用。
クラスを選んで、種族、クラスで選択できる技能や特技、パワー(「技」「特殊な能力」みたいなもの)をチョイスして装備を整えるという、全体の流れとしてはそれほどの違いはない。

ただ、まだ拡張版が出ていないこともあってか選択肢である各項目数は少なく、スキルのポイント割り振りなどもなくなるなど若干簡易化されている印象。


ネタバレはないがちょっと長いので隠して折りたたみ

実は英語版のルールブックを購入していないので、羽生氏作成のサマリーと氏の説明でプレイしたのみだが、印象に残った前のエディションからの相違点は下記など。ただ、魔法については今回キャスターをプレイしていないので詳細は不明。

  • パワーの策定
    • クラスや種族によって各キャラがそれぞれ別のリストから選べる「技」「特殊能力」みたいなもの
  • サージによるHPの回復
    • サージ、と呼ばれる使用回数(日ごと)のある能力。1回使用につき一定量を回復。使用回数が尽きると大休憩するまでHPの回復ができない(原則として)。回復呪文は存在するとのこと。
  • 休憩による能力値の回復
    • 遭遇ごとに数分程度休む「小休憩」と、いわゆる“一泊”する「大休憩」でそれぞれ回復する内容が明確に規定された。
  • セービングロールの概念
    • 詳細後述。防御側がセービング・ロールで特殊な攻撃や状態を回避していたが、攻撃側がACと同じく“命中”判定するようになった。ただし、異常状態からの回復のためのロールは防御側でもできる(ものもある)。
  • アクションの概念
    • 「全ラウンドアクション」がなくなった。標準アクション、移動アクション、マイナーアクションの3種類(+フリーアクション)。ややわかりやすくなったか???
  • 5フィートステップの変更
    • フリーアクションではなく「シフト」と呼ばれる移動アクションになった。
  • 「アクションポイント」の導入
    • 消費することで追加でアクションを得られる。1遭遇で1回のみ使え、2回の遭遇につき1点もらえる(初期値1点)。
  • 戦闘アドヴァンテージの導入
    • 一定の条件で得られる命中値へのボーナス。挟撃とか盲目状態の敵への攻撃とかをまとめた感じ
  • 斜めのマスへの移動ルールの変更
    • 斜めのマスに移動するのも「1マス」と数えることになった。
  • 戦闘オプションの簡易化
    • 組み付きが“なくなった”(つかみ、というのがあるが判定はかなり簡易化した)。


判定は、しかるべき基準値+能力値+レベルの半分の合計値にd20を足し、目標値を上回れば成功というのが原則。
これまで受ける側が判定に使っていた頑健ST、反応ST、意思STのST値は、ACと同様の攻撃側からの目標値となり、たとえば、殴るなら相手のACが目標値、ブレスなど浴びせるなら相手の反応ST値が目標値、スリープの魔法を投げるなら相手の意思ST値が目標値となり、攻撃側がダイスをゴロゴロと振ることになる。


あとは死亡判定やHP(ヒットポイント)の決定方法など変更点はそれなりに多い。また、機会攻撃のルールも若干変更されている。

アクションのルールが変更され、全ラウンドアクションがなくなったことで複数回攻撃がなくなったり、持続する効果の切れるタイミングの規定が変わったりしていることで、戦闘ルールが少し簡易化された印象がある。

ただ、どの変更も決定的に処理を軽減するにはいたらず、やはり戦闘は長いし、HP決定ルールの変更でクリーチャの耐久値があがったこともありガチで削りあう内容になりがち。

パワーやアクションポイントを使って変則的な攻撃や移動、大打撃、状態異常の付与なども行えるのだが低レベル(1レベル)だったせいか攻撃がなかなか命中せず、攻撃ミスで使用回数を減らしてしまう場面も多かった。

休憩の内容が明確化されたこともあり、後処理などは軽くなった気がする。しかし、全体的には処理が減ってない割りにはそれぞれの場面では良くも悪くも選択肢が少なくなり、自由度は低減した感触もあった。

あと、斜め移動の「1マス」化は、実際にやってみるとぎょっとするほど遠くまで届くので、これも良し悪しが分かれる感じ。


攻撃を当てる役割であるレンジャーをやったのに攻撃が命中しなかったので、4〜6レベルあたりでもう1度やってみたいかも。

*1:というのもまだ英語版しかない(少なくとも日本語版はない)ので、今後このシナリオで遊ぶ人も多いと思われる