『現れた地下都市』冒険シナリオ企画 第18回(第6巻 第1回)

モラディン*1の敬虔な信徒にして勇猛果敢なウォープリースト マクツー・ベガウスの肉体は、邪悪なヴァンパイアの放ったイカヅチに撃たれて滅んだ。

しかし、マクツーの魂ははるかな次元の彼方で燃え盛るモラディンの炉に尊厳と優しさで迎えられ、今まさに聖なる真っ赤な炎の中にモラディンの力強い手によって投じられようとしていた。肉体を失ったドワーフ族の魂はここで鍛えなおされ、ふたたび現世での新たな生を得るのだ。

マクツーは自らの生涯に満足していたが、冒険を半ばにしてきたことが唯一の心残りであった。
だが、炉の前に立つモラディンの暖かいまなざしがマクツーのそんな残心をかき消した。そう、マクツーの意思を継ぐ者が居る。そのことを思い出したからだ。


そしてその頃、神託によって兄の死を知った勇敢なドワーフの青年が故郷を旅立っていた。
彼の武器であり防具であるスパイクシールドを持ち、その顔は決意に満ちている。

彼の名は、ハルザウルド・ベガウス

ハルザウルドは小高い丘から故郷を見下ろし、彼の旅立ちを見送る弟達に*2大きく手を振ると振り返ることなく歩みだした。まだ見ぬ冒険に向かって!

“目(暗視)が!目(化け物)がぁ!”バスター・ド・ヘラティック:マーシャル/チャンピオン・コアロン/パラディン/スワッシュバックラー(ハーフエルフ):PL/id:Tirthika

“頑健ST?セフセフ⊂(^ω^)⊃”ポー:ウィザード(ハーフリング):michi氏

“水に落ちて[火]ダメージって?!”迅速なウルドカラド:ローグ/レンジャー/オーダー・オブ・ザ・ボウ・イニシエイト(ウィスパーノーム):PL/yuka氏

“相変わらず手が足りん(;、;”ハルザウルド・ベガウスクレリック/ウォー・プリースト(ドワーフ):PL/わし

ふう。ロマン溢れる前説を書くのは楽しいが疲れるぜ(゜ー、゜)


というわけで、前回の冒険に参加していなかったポーの周りに集まった新しい仲間達は、新たな冒険の序章をあけた。


『現れた地下都市』のDMは羽生氏


これまで安定していた地域に地震が頻発するようになり、火山の噴火も起きている。占術によるとこのままでは事態は悪化する一方だという。

さらに、革の翼を持ったクリーチャーの出没や奇妙な彫刻(民芸品?)の市場への出現など一連の事態に関係あるのかないのかわからない現象も起き始めた。

PC達は、これらの事柄の関連性を疑う賢者からの依頼を受ける。



賢者の調査と研究によると、奇妙な彫刻は「デズモドゥ」というすでに滅んだ種族のものらしい。
しかし、出回っている彫刻は最近作られたものであり、遺物が流通しているとは思えない。


デズモドゥは地下に生息した種族で3世紀前にドラウとの戦争で滅びたとされている。しかし、彫刻の件でどうもデズモドゥが関連してそうだ。

そこで、最近見つかった洞窟からアンダーダーク*3に入り、古代にドラウたちが住んでいたという廃墟の元都市チール・レクシャーを調査して欲しいと言うのが依頼の内容だ。
賢者はチール・レクシャーまでの道のりを描き示した簡単な地図をくれる。

PC一行は、「そんじゃまぁ」ってことで彫刻と地図を持って出発。洞窟に足を踏み入れるがバスターの中の人が遅参のため、ポー、ウル(ウルドカラド)、ハル(ハルザウルド)の3名のみでマーチング。


テクテクと歩いて洞窟を進むこと5時間後*4、ナニヤラ、火の明かりらしいものが近づいてくるのに遭遇。


遭遇表らしくダイスで遭遇内容が決まるが、さすがに数が多いとマズいということで1体のみ。
しかし、<知識>判定に失敗し、出目からどうも10HD以上のヤツらしい。


ポーは<隠れ身>、ウルはリング・オブ・インヴィジビリティ*5で不可視だが、ヘヴィプレートなんぞを着込んだハルは<隠れ身>判定でも達成値*6が「-5」ウハwww


大型の火が燃えている何かはハルに突撃。ハルはレッサー・エネシャライズ・シールド*7を[火]でかけて前線構築の構え。つか、ハルが抜かれたら透明なウルはともかくウィザードのポーが危ない。

つかみ攻撃で組み付かれるハルだが、そのまま組み付かれを維持し、クリーチャーの他のPCへの攻撃を封じる。

そこにポーの呪文とウルの消える→弓の急所攻撃でダメージを与え、おっつけでやってきたバスターの出番も薄くクリーチャーは撃沈(クリーチャーはノーブルサラマンダー*8だった)。


ところでバスターだけが暗視能力*9がないことに気づく一行。ええぇ〜。せっかく暗くて狭くてジメジメしてて居心地よかったのに明かり点くのか〜〜〜とか暗視持ち(ポーはアイテムによる)に言われつつも、消えずのたいまつ*10を持って進むバスター。

その日はそれ以上の遭遇はなく、ポーのロープ・トリック*11で一泊。


翌日も洞窟を進むと、今度は固定遭遇らしい。
ちょっと複雑な地形で弓を持った複数のクリーチャーの先制攻撃を受ける。


高台から射掛けてくる大型のクリーチャーが6体。どうやらウルの透明化を見破る能力がある様子。
バスターが突撃して高台の1体に攻撃し、バスターの愛騎のダイアライオン マーサが隣の1体を担当。


ハルが高台を中心にソフン・アース・アンド・ストーン*12をかけるが待ち伏せの地形にちょっと変更を加えただけ。ポーはファイアリー・バースト*13などで呪文を温存しつつ応戦し、ウルは急所攻撃は乗らないものの《遠隔痛撃》*14でダメージを稼ぐ。

突出したバスターに弓の攻撃が集中するので、ハルがマス・キュア・ライト*15でマーサともども回復させ、バスターが一度引いたところでウォール・オブ・ストーン*16で敵のグループを分断。

1箇所の通路を抑えてこちらの攻撃を集中し、1体を逃すものの敵グループを殲滅する。


クリーチャーの外見は「コウモリ男」で、どうやら聞いていたデズモドゥの特徴と一致する。

おお、失われた種族発見。


戦闘の後処理などをしていると、視界外の天井のほうからうめき声が聞こえる。


なんじゃらほいとウルがブーツ・オブ・レヴィテート*17を起動して天井に近づくと、縛り上げられて吊るされたデズモドゥを1体発見。


SMプレイですか?とか聞くとどうやら共通語が通じそうなので降ろして情報収集することにするが、デズモドゥは[音波]攻撃を持っているのでビビリながら尋問開始。

  • オッス。おらヴィデイ。
  • デズモドゥは滅びてはいなかった!
  • ドラウとの戦いに敗れたが、デズモドゥの魔術師たちはマグマを操る方法を発見し、それによってチール・レクシャーを滅ぼした。
  • しかし、自らも外界から隔絶する結果を招き、以後、アンダーダークの片隅で息を潜めてきた。
  • それが、最近の地震で外界との通路が開いたらしい。
  • 現在、デズモドゥには、傭兵や侵略行為によって生計を立てる“戦争派”、交易や生産によって富を求める“商人派”、アンダーダークの方々や外界の情報を集めている“探索派”、そして積極的には変化を求めていない引きこもり派の大きく3つ+1つの勢力がある。
  • ヴィデイは探索派として情報収集のために地下世界を徘徊していたが、戦争派につかまり、奴隷として売られるために捕らえられていた。
  • 地上との通路が開け、商人派の行動と思しき彫刻が出回っていることなどを知ると、PCの調査のためとこちらの情報収集のためにも長老に会って欲しい。

などという情報交換が成立。
ひとまず、デズモドゥの長老にして大司祭の居るヴィデイの集落までの案内を買って出てくれる。


チール・レクシャーは現在位置から見て集落の手前にあるため集落に行く前にチール・レクシャに寄ることは可能だというので、一行はひとまずチール・レクシャーまで案内してもらい、調査をしたあとに集落を目指すことに。


傷を治して翌日、入り口から廃墟までは半分くらいの行程を消化したことをヴィデイから聞いた一行は、進行速度を速めて遭遇を減らすために、ハルのフィギュリーン・オブ・ワンダラス・パワー:エボニーフライ*18にポーと二人乗り、ウルのカーペット・オブ・フライング*19、バスターはマーサへの騎乗で速度を上げて進行することにする(あ、ヴィデイはどうなんだ?w)。


クラウドジャイアント、探索派のデズモドゥパーティなどと遭遇するがご挨拶を交わすだけで終了(デズモドゥは通常は善属性らしい)。


さらに一泊して探索4日目、一行はチール・レクシャーに到着する。


洞窟を横切るようにして水が流れており、その向こうに2つの塔らしき建物が見える。どうやら都市の入り口のようす。
塔は燐光を放っており、二つの塔が挟む通路には大きな鉄格子が上下する開閉装置があったようだが今はそれが朽ちて残骸が残るのみ。


塔の手前の水の流れは10f下に水面があり、見たところ流れが速く、20fの幅がある。
水面からは蒸気が立ち上り、向かい側の岸に視認困難*20を与えている。


ウルが姿を消してカーペットで川面に近づくと、向かい側の岸からスライドして伸びる橋の仕掛けがあることがわかる。ただし、現在も稼動するかは不明な上、おそらく向かい側(都市の中)からしか起動できないことは想像にかたくない。


塔には矢狭間が設けられており、クリーチャーが居る様子なのだが、とりあえず透明化してカーペットに乗ったまま川を渡ろうとすると川の上に差し掛かったら魔法が切れた状態になって川にどぼん。

「川の水に入ると[火]ダメージ」とか言われてあっちっち。

どうも魔法を無効化されるアンチマジックの効果があるようす。ポーが前に出ると「3本の光線(ディス・インテグレイト*21/フィンガー・オブ・デス*22/フレッシュ・トゥ・ストーン*23」が飛んできて頑健セーブ。成功するが大ダメージ。


「ええええ〜〜。アレですかぁ〜?」


魔法無効化が外されて川から上がったウルだが、ダメージのために一時後退。

ポーはウォール・オブ・ストーン*24で塔の矢狭間をふさぐように壁を立て、ハルが川の上にダーク・ウェイ*25をかけて道を作り、バスターが前進。
しかし、ウォールはディス・インティグレイトで破壊されてすぐに光線が。目玉の親父(ビホルダー*26)らしきクリーチャーがデズモドゥを連れているぽい。


狭間からデズモドゥの弓兵を突っつくバスターだが、またしても弓と攻撃の集中。
さらにビホルダーがアンチマジック・レイでバスターの泣き所の光源(消えずのたいまつ)を無効化してしまうため始末が悪い。


傷を治してなんとか川を渡ったウルとハルだが、形勢の不利がどうにもならない。
ハルのホーリー・スマイト*27ビホルダーの視界を奪った一瞬をついて後退し、ポーのリグループ*28で離脱したPCたちは無念の撤退。


しかし、敵の手の内がわかったからには対策して乗り越えるのが冒険者魂というもの。
翌日、ポーとハルから支援系の呪文をかけておいて塔の中にポーのグレーター・テレポート*29で転送突入。

近づいて接近戦に持ち込んでビホルダーを一気に叩く作戦に出るが。。。。


強襲のラウンドのイニチアティブ判定でPCたちのイニチアティブ値は軒並みビホルダーと愉快な仲間達のそれを下回るという体たらく。


しかも予測はしていたが塔は床がぶち抜かれており、2階部分に居るように見えたビホルダーはその位置まで浮いていただけ。

ビホルダー下向く

魔法効果停止される

バスター&ポー「暗いよ狭いよ怖いよ」

ハル「盾のダメージがショボンヌ*30

ウル「姿見えてますがなにか?」

おれらオワタ\(^o^)/


それでもポーがなんとか範囲外に這い出て明かりを確保し、アンチマジック・レイを逃れて一同は狭い通路の隅っこにじりじりと這うように移動。


その間にも打撃と攻撃呪文でどうにかデズモドゥにダメージを蓄積させる。


ついに小部屋に追い詰められるPCだが、ここでバスターが捨て身の<交渉>判定でデズモドゥを説得。

バスター「諸君!この化け物にいいように使われていて良いのか?!今ならこの化け物を倒せる!我々に力を貸してくれ!」


<交渉>スキルが高いバスターの出目も好調。


コウモリ男「そういわれれば・・・・この目玉は人使い荒いし、給料安いし、性格悪いし、足は臭いし・・・」


というわけでデズモドゥの攻撃停止。


目玉「ええぃ!この裏切り者!お仕置き光線じゃっ!」と残り2体のうちの1体をフィンガー・オブ・デス光線で抹殺。


ちゃ〜んす!


バスターとウルが<軽業>でビホルダーの後ろに回りこみ取り囲んでボコスカ。なんとかビホルダーをやっつける。


親玉がやられたことで手下のデズモドゥは降伏。
金品を差し出すのでありがたく受け取ることにして事情を聞いてみる。

  • オレたち戦争派。
  • ビホルダーに雇われ、チール・レクシャーへの侵入者を見張っていた。
  • 捕らえた侵入者はチール・レクシャーの中心部に連れて行かれたがどうなったかは知らない。
  • ビホルダーは複数居て、ときどき交代してここに出張っていた(川面にアンチマジック・レイを照射するお仕事をしていた)


げぇ。まだ居るのか。ビホルダー orz

さて、チール・レクシャーに居座っているビホルダーたちの目的は?
また、アンダーダークでは一体何が起きているのか?


ナゾがナゾを呼びつつ、今回のセッションはここまで。

年内のセッションもこれで最後。みなさま今年もありがとうございました。
来年もまたよろしくお願いします。

*1:神格。ドワーフの代表的な信仰対象でドワーフ族の創造主

*2:えええええぇぇぇ!?

*3:D&Dの地下世界。ダークエルフとかドゥエルガルとかがお住まいの暗くてジメジメしたところ。

*4:1時間毎に遭遇判定。

*5:魔法の品。透明になれる指輪。現れないのが透明人間デス!

*6:修正が-9とかw

*7:信仰呪文。盾にエネルギー抵抗を付与し、盾攻撃の打撃力を強化する。

*8:クリーチャー。火とかげのちょっと偉いやつ。えっへん。

*9:特殊能力。光がなくても見える。

*10:魔法の品。文字通り、ずーっと明るい魔法のかかったトーチ。

*11:秘術呪文。中空に異次元にある休憩所への入り口を作ってロープで昇り降り。冒険者おなじみの休憩方法

*12:信仰呪文。自然地形の地面や壁、石、岩を柔らかくする。移動困難な地形、壁崩しなどに利用。

*13:特技。呪文を使わずに炎の爆発を起こす。

*14:特技。近距離での射撃ダメージを強化。

*15:信仰呪文。複数の味方の傷を癒す

*16:「地」の領域呪文。石の壁を召還して地面におっ立てる。

*17:魔法の品。空中を上下に移動できる能力があるブーツ。

*18:魔法の品。木彫りのハエだが週に3回、各12時間ずつ巨大化して乗って飛べるようになる。

*19:魔法の品。ソラ飛ぶ絨毯。

*20:状況。命中判定に成功した攻撃が20%の確率で失敗になるトカいう状態。

*21:秘術呪文。木っ端微塵

*22:秘術呪文。頑健セーブに失敗すると[即死]効果。

*23:秘術呪文。頑健セーブに失敗すると[石化]効果

*24:秘術呪文でもある

*25:信仰呪文。[力場]でできた足場を造る。

*26:クリーチャー。目玉に口がついてて、目玉つき触手が何本も生えている。魔法無効化の光線とか打ちまくる厄介者

*27:信仰呪文。悪属性のクリーチャーを痛めつけて1ラウンドだけ盲目化

*28:秘術呪文。複数の味方を自分の周りに瞬間移動させる。

*29:秘術呪文。瞬間移動呪文の上位版

*30:盾に魔法で特殊能力を付与して強化している