自宅

Dowa2012-06-23

朝のうちは曇っていましたがだんだんと明るくなって晴れ。
午後から散髪に。


散髪に行った先で、すぐ裏手のマンションで孤独死があったとのこと。
先週発見されたらしいのですが、すでに死後6週間が経過し、すさまじい腐敗臭がしていたとのことでした。


腐敗臭は、現場検証や後片付けなどで人が出入りするたびに数日間続き、今日もクリーニングの業者と思しき作業服の人が数名ほどが出入りしていました。

話してくれた美容師さんによると、どのように発見されたかはわからないということでしたが、おそらく腐敗臭で近所の人が通報したのではないかとのこと。


孤独死と聞くと、社会の片隅でひっそりと死んでいったようなイメージですが、死んだ人の叫びが死後に腐敗臭となって地域に響きわたっているように思えました。

孤独を好み、自ら人との交わりを絶っている人や、性格や過去の行いから親戚などに疎まれて独りでいる人、行政や福祉が差し伸べた手を頑なに拒む人など、周囲がどうかしようとしてもなかなかとりつけない人が居ることも事実です。


でも、目の前の人がよろめいて倒れそうになったら、その人がどんな人であってもとっさに手を出して支えるのが人というものではないでしょうか。
急な発作であっという間に逝ったのかもしれませんし、徐々に衰弱して布団の中で動けぬままに天井を見上げながら逝ったのかもしれませんが、独りで死ぬことはまだしも、自身の身体が腐敗して溶けて無残を晒すことを良しとして逝ったとは思えません。


家財道具は一切が運びだされ、おそらく床板やカーテン、壁紙に至るまで室内にあったものほとんどが処分せざるを得ないでしょう。
形見も残せず、思い出のある品々と埋葬されることもかなわないそんな死を誰が望むでしょう。


誰かが悪いということではなく、ただ、6週間、死に至るまでのもしかしたらもっと以前から、死臭という悲鳴を上げるまで発見されなかったその方の 孤独 がどれほどのものだったのか。


社会福祉協議会の事務所まで徒歩で数分のところですが、美容師さんの話しではあの辺りは独居の高齢者も大勢いらっしゃるとのことなので、社協の方もなかなか全員に気を配るのも難しいのでしょう。


何人もの警官が出入りしてご遺体を運び、現場を調べ、近所の方々が「たまらない臭い」と数日間にわたって顔をしかめ、マスクをつけた業者が何度も出入りして荷物を運び出し、臭いのついた家具類をまた別の業者が処分し、部屋を賃貸していた不動産屋さんは頭を抱える。。。


孤独死は、社会の隅でひっそりと死んでいく、そんな静かな死に方じゃありません。
都会の真ん中で、どんな大声よりどんな大暴れよりも大きな悲鳴を、断末魔をあげ、本人を含めて何人もの人が胸の潰れるような想いをする死に方なのだと思いました。