iPhone APP - The Dicenomicon を使う

Dowa2012-09-16

以前にちらと書いた気がするiPadiPodにインストしていた『The Dicenomicon』だが、日本語のドキュメントがほとんどないので、ほかに使う人がググったときに何かの参照になるかもしれないので分かった範囲で書いておく。


まず、いろんなダイスでいろんな振り方ができる。
4面体、6面体、8面体、10面体、12面体、20面体など、TRPGでお馴染みのダイスはひと通り振れるし、それらの組み合わせや複数個数も振り出せる。

そしてその振ったダイスの合計値のほか、出目の抽出や並び替えなども関数を使った式を入力しておくことで可能。

見た目も良い。

御託はこのくらいで実践編。

  • 【基本編】

まず、ダイスは大きく3つのところに登録できる。

1つは、画面下の Dice bar。
もう1つは、キャラクターシート内にステータスの1つとして。
そして、キャラクターシート(キャラクター情報)の画面からアクセスできる Favorite Rolls。

違いは以下。。。たぶん。Helpに明記されてないけど使ってみた感じ。

『Dice bar』:ダイスの種類の組み合わせと個数のみ。式は反映されない。
キャラクターシート内のステータス』:ダイスの種類と組み合わせと四則の計算のみ(?)。関数や変数は反映されない。マクロも使えない(?)。
『Favorite Rolls』:ダイスの種類と組み合わせと四則の計算を含めた式。マクロも使える(はず)。


というわけで、ちょっと便利に使うならFavorite Rollsを使うのが吉。

で、ごく基本。


20面体ダイス(D20)を1個だけの場合。



6面体ダイスを3個振る場合。


上記はいずれもダイスが転がる音と動画(?)が表示されて出目と複数個の場合は合計値が表示される。

ダイスの色を変えることもできるので、まぁこれだけでも使えるといえば使える。


次に、出た目に修正値を加える場合。


3つの6面体ダイス(3d6)を振ってその合計値にさらに5を足すという場合。引き算や掛け算もできるが足すのが一番多いとおもわれる。いずれにしても四則の計算の場合は式の書き方はこれに準ずる。



振ってみるとこうなる。

出目が1、2、4でダイスの目の合計は7だが、「+5」により、合計値に5が足されて「12」が表示される。

画面上部に式の内容が表示される。

たいていのゲームシステムでは、各キャラクターの攻撃値などの固定値はレベルが上がるかせいぜい武器や技ごとに定まったものがあるのでここまで使えるだけでも楽は楽。ただし、この数値にあとで修正値を自分で足したり引いたりする場面は多いだろうが。

  • 【もうちょっと便利に】

修正値はロールごとにわかっていることが多いので、振るダイスの数と固定値にくわえ、ロールするごとに修正値を入力するという方法もある。
パラメータを設定できる変数を使う方法だ。



式はこんな。
2つの4面体ダイス(2d4)と固定値3(+3)にくわえ、変数「#1」を設定する。

さらにエディット画面で「#1」をダブルタップすると・・・・



パラメーターの設定画面が開く。



Prompt:は項目名
Default:は初期値
Style:は設定の方法。初期値を固定してチェックボタンにしたり、テンキーで数値入力したり、リストから数値を選んだりといった入力方法を選択できる。ここでは、「修正」という項目名に、初期値は「0」を設定し、正負の整数を入力できる方法を設定している。



実際にロールしてみると、ダイスが転がる前にパラメータの入力画面が表示される。初期値「0」の「修正」項目が、テンキーから入力できるようになっている。



で、修正値を「5」に設定した。パラメータ設定画面の左上の横向き三角をタップするとダイスロールが始まる。



ロール名自体を「近接基礎攻撃」としているので、画面上部にはロール名が表示されている。
なんかいろいろすれば式を表示させることは可能。

出目は3と1、これに固定値「3」を足し、さらにパラメータで設定した「5」を足した合計値「12」が表示される。


これで、ダイスと固定値とロールするたびのダメージ修正やら攻撃修正を設定して自動で計算させることができる。

  • 【文字を表示させる】

ゲームでは、攻撃して殴って痛かった。だけでなく、同時に敵がこけたりふっとんだり、寝たり気絶したりといった副次的効果や自分や味方がなんらかの効果を受けるような技や魔法といったものも多い。
あと但し書きとか。



こういうのを書ける。
式の部分は上記の説明通り。「d4」の前の赤丸はダイスの色を指定している。

表示する文字は「“”」で囲っている部分で、行頭の「\n〜」は、文字を制御するコマンド。

「\n」は改行
「\=36=」は文字サイズ
「「\b」は文字色(この場合は青)

を指定している。

振ってみた。


式の数値とテキストが表示される。改行がないと、「19」のすぐ後ろに続いて表示されることになる。

そうなるとたいへんに見苦しい。

  • 【命中判定とダメージ判定を一度に振る】

ここからはD&Dに特化した例になるが、ほかのシステムでも応用は効くと思う。

D&Dでは、20面体ダイス(D20)を振って、攻撃ロール(命中ロール)のあとに、当たればダメージ判定を行う。


しかも、出目が1なら自動失敗(ファンブル)で、出目が20ならクリティカルとなる。

式は以下。


出目1なら「自動失敗」と表示
出目20なら「クリティカル」と表示してクリティカルのダメージ判定
それ意外の出目(2〜19)なら通常のダメージ判定

を行うようになっている。
「#1」は攻撃ロールへの修正(命中の修正)、「#2」はダメージへの修正を入力できるパラメータ。


この式をロールしてみるとこうなる。



攻撃(命中)とダメージへの修正値を入力する。初期値はどちらも「0」。



出目が10なので通常ロール。固定値「10」と、修正値は「2」と入力したので、命中判定値は「22」。
当たっていたなら、1d8+8+2のダメージを与えることを表示。

実際にこの攻撃があたったかは、マスターに聞くしかない。
もし当たっていたら、画面下部の「ダメージ判定」ボタンをタップする。



「ダメージ判定」ボタンをタップすると、命中判定のロールは消えて、ダメージ判定のロールのみが表示される。

出目が3で、固定値が8、ダメージ修正は2を入力したので、合計値である13が表示される。



出目が20の場合は「クリティカル」が表示され、通常のダメージ判定とは別の式を使ってダメージ判定を行う。

修正値「0」になっているのは修正値を入力しなかったから。。。
しなかったの!忘れたんじゃないの!



クリティカルのダメージ。
固定値が通常ダメージの8ではなく「16」を用いている。
もちろん、ほかのダイスを足したり、ダイスの数を増やすこともできる。



ちなみに出目「1」の場合は「自動失敗」が表示される。
ダメージ判定はない。。。。


まあ、わしには必要ないがな!機能としては必要だろうから作っておく!


ダメージ判定に使うダイスの組み合わせや固定値のバリエーションの分だけ作るか、ダイスの組み合わせの部分もパラメータにして入力し、固定値と修正値を1つのパラメータにするか別々のパラメータにする(たとえば固定値の初期値は「9」などとし、修正値は「0」としておくなど)も可能、、、だと思う。

でもパラメータをあまりたくさん入力するのはかえって面倒なので、パラメータはロールのたびの修正値くらいにしておくほうが良いように思うな。


以上、「iOS端末を使ってるD&Dゲーマー」というニッチな層に向けた『The Dicenomicon』でした。