表参道

Dowa2013-02-23

散髪のあと、久しぶりに表参道の根津美術館に行って来ました。
遠州・不昧の美意識 名物の茶道具」と銘打たれた展示が、ちょうど今日から。


松平不昧のセンスのすごさよ。

印象に残ったのは、首長の銅の花生け『古銅鉗子口花生』、ツマミが赤い犬の形の香炉『呉州赤絵狗鈕香炉』、千利休が獅子の置物の頭を割って香炉にしたという『獅子香炉』、染みが面白い高麗茶碗『蓑虫』など。


特に『呉州赤絵狗鈕香炉』が萌えポイント高し。
赤い犬が座って振り向いた形をしたツマミ付いている小さな香炉なのですが、この犬の様子がまた萌える。造形は細かくないのですが、その成りがなんとも動きのあるよくわかった造りになってます。

また『獅子香炉』も愛嬌のある顔がすごい。これを割って香炉にしたという千利休も面白いセンスです。
茶道具はいろな見立てがあってほんとに飽きない古美術品です。

また、茶杓『五月雨』の筒に遠州が書いた「星ひとつ見つけたる夜のうれしさは 月にもまさるさみたれのそら」という歌があるのですが、この茶杓の柄にある虫食いのあとを五月雨の曇り空に光る1つの星に見立ててるのだろうという、これもまた面白いなぁとおもうセンス。


ほかにも「大雅と良寛の書」の展示もあったのですが、ここの良寛の書が面白かった。
一行書で、とても崩れてて素人には判読できない文字ですが、すごい力が抜けていてくにゃーっとした気分になる掛け軸。

なんて書いてあるのかと思えば「飄若浮雲又西去」(飄として浮雲のごとくまた西に去る)だそうで、「西」とは極楽浄土のことを指してるようですが、書の力の抜け具合から見るとわしにはどうみても書き置きで「わしは大丈夫なので探さないでください」という意味にも見えます。いつどういう時に書かれたかは知りませんが、なんかもう「勝手にしろ(笑)」という気分になりました。


そして相変わらずの『双羊尊』の可愛さは健在。