池袋

トクオがオレの家に泊まった４日間は、実に起きてから寝るまで、一日１５時間以上も
ゲームをやり続けていた。というか、２プレイでオレもずっとそれに付き合っていたわけだが。

トクオが夜行バスで帰る日も、結局、オレたちは夕方までコントローラーを
手放すことはなく、疲れのため、見送りに出た電車の席でオレはしばらく
まどろんでしまった。

夜行バスは池袋発だったが、まず新宿についたオレたちは、とりあえず夕飯を済ませる
ことにした。
オレのよく行く東口の「mixing cafe」に向かったのだが、あいにくと
貸切りのため入ることができず、その近くの「とんかつ三太」に入った。

「ここのトンカツはうまいよ」
と薦めておきながら、オレはカキフライ、トクオはヒレカツを注文し、
またしばし、ゲームの話をした。
最後までクリアーしてしまうつもりだったのだが、どうしても攻略できない
ところがあり、結局、帰るまでにクリアーできなかった。
トクオはひどく悔しそうに「もう少しなのになぁ」と繰り返したが、
正直、オレはもうへとへとだったので、「あとはオレががんばるよ」と返事をした。

ほどなく、すばらしくおいしいヒレカツとカキフライが運ばれてきて、
トクオはソースをたっぷり回し掛けてヒレカツを、オレはキャベツにだけソースをかけて
皿についてきたタルタルソースでカキフライを食べた。
この店の衣は細長く切ったパン粉を使っていて、それを焦げる寸前で油から上げる
実に絶妙なサクサクカリカリな揚げ具合だ。

食後のコーヒーのあと、トクオが二人分の料金を支払って店を出た。
「世話になったからな」
「まぁ、、、、そうだな（笑）」
トクオがゲームを購入したいと言うので（ホントにゲームが好きなヤツだ）、
近くのゲームショップに入るが置いていなく、時間が来たので
オレたちは急ぎ足で駅に向かった。

新宿駅からの埼京線はかなりの混雑で車内は暑く、二人はじっとりと
汗ばんで、池袋でホームにおりたときは、開放感と外気の涼しさに
どちらともなく大きなため息をついた。

バス停まで歩く間に、トクオは家族に購入を頼まれていた宝くじのことを
思い出して駅入り口の券売り場で２０枚ほどを買った。
「当たるかな？」とオレに聞いたが、オレは笑って「当たらんやろ」と答えた。

時間があったので、バス停近くのさくらやに飛び込んだ。
閉店直前だったのだが、例のゲームが置いてあったので、トクオは
無邪気に喜んでそれを購入し、大満足でかばんに仕舞い込んだ。
オレはトクオに、この4日間でやりかけたセーブデータをあとで送ることを約束して、
バスに乗り込むトクオを見送った。

帰り道、寒さでノドの奥と顎の下がキンキンするのを心地よく感じながら
カキフライとヒレカツを一切れずつ交換すればよかった、と思い出し、
オレは、なぜか人気のない歩道を、息が上がるまで走って家路についた。

〜『東風の吹く頃』（イワサキ アツシ）より 〜 （← 嘘だけどｗ）

と、ちょっと小説風に書いてみたり。
いや〜、しかし、ある意味たいへんなお客さんだったかもしれません。

トクオ（仮名）は、大雑把なところがあって、貸した布団をダイニングに
敷きっぱなしで過ごし、椅子の足を平気で布団に乗せて座ったり、
かばん入れに使っているランドリーボックス（もちろんかばんが入っている）に
何も聞かずに濡れたバスタオルを突っ込んでおいたり。

かと思えば、バス待ちのとき、黙っていてもコンビニで飲み物を買って来て
くれて、しかもコーラを選んで「家で良く飲んでたから。好きだろう？」とか
言ってくれるような気遣いがあったりもします。

つか、コーラは、ラムコーク、キューバリブレ等、カクテルで使うから買い置きして
いるので、すごく好きってほどじゃないのですが。しかも、うちではダイエットコークを
買っているのだが、トクオがコンビニで買ってきてくれたのは普通のコーラだったり
するのは内緒話。

そんなわけで、mixiへのシナリオアップとか、いろいろさぼってたことが溜まってます。
明日からまた片付けなければ。
とりあえず、髪を切りに行く予約をしましょう。