青葉台
ちょっと暖かい日でした。
しかし風邪ぽい人も多そう。気をつけねば。
大空のサムライ(上) 死闘の果てに悔いなし (講談社+α文庫)
- 作者: 坂井三郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/04/19
- メディア: 文庫
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読了。
読み物としても非常に面白く、興味深い内容でした。
零式艦上戦闘機(零戦)の搭乗員だった坂井三郎氏が戦後にまとめた個人戦記です。
メモのようなものはあったのだと思いますし、版を重ねる際に日本軍の記録と照会して数字などの記載間違いは正したらしいのですが、それでも空戦の一挙手一投足をまるで昨日の出来事のように詳細に綴っているのには驚きです。
もちろん、一瞬一瞬が命を懸けた戦闘だったので記憶に深く焼きついていたのでしょう。
撃墜して勝つとうれしいが、死んでゆく敵兵の姿に哀れや尊敬を感じるなど、戦場での複雑な心理描写も織り交ぜられています。
坂井氏は現役時には視力が2.5とも3.0だっととも言われていますがこれは生来の能力ではなく、昼間に星を見る訓練や遠くのものを見る訓練、目を労わるように日常生活での細心の注意を怠らなかったりという努力と研究の賜物だったと記されています。
人間の能力というのは大したものですが、反面、現代人の視力や聴力ときたら。。。
どうもこれは視力も聴力も嗅覚も、使わないから衰えているんじゃないかと思えます。
見るのは手前の携帯などの画面内だけ。
耳もそのために自分に向けられた音を聞き取るだけ。
嗅覚に至っては街中で鼻をつままれてもなんの違和感もない人が多いんじゃないでしょうか。
まぁ、戦闘機乗りじゃないので苛烈な視力訓練は必要はないと思いますが、せめて周囲の状況くらい注意して歩こうよ・・・。
坂井氏は晩年でも自動車を運転し、ゴルフなんかも趣味にされていたようですね。
生前の写真を見るとはつらつとした好々爺で、失礼な言い方かもしれませんがとても戦闘機で200回以上の出撃と60機以上の撃墜を成し遂げたエースパイロットとは思えない温和なお顔をされています。
そのギャップがまたカッコイイ!
怪我をして内地に戻され、若い操縦士たちの指導にあたるのですが、ここでのエピソードも指導者として実にすばらしいものでした。
未読の方には一度読まれることをオススメします。