神泉
晴れ間が出たり曇ったりですが微妙に蒸し暑い気がします。
去年のブログを見たらすでに火鉢が稼動していたので今年は去年より寒くなるのは遅いのかな。
りんどうは結局昨日活ける気力がなくて洗面台でとりあえずの花瓶に突っ込んでいましたが、今朝、早く日のあたる場所に出してくれとこちらを見るので水切りをして花瓶を移し、出窓に置いてきました。花弁が少し緩んでいます。また水切りしてやればちゃんと咲いてくれるかな。
帰省するたびに思いますが地方の過疎化の問題は年々深刻になる一方でこれといった有効的な対策は打たれていません。自治体や地元住民による努力はあるとは思いますが過疎化の歯止めには至っていないのが現状です。
地元住民の意識としては、「(若い人が)働く場所がない」というのがおそらく一番の原因です。
20代〜30代の若者がこれから地元で生活しようとした場合、最もガチなのは「介護師免許を取得して働きながらケアマネージャーの資格を取得。個人事務所を開設して介護の仕事を受注する」ことだそうです。
これは地元で介護系の仕事に就いている同級生の談ですが、ここまで具体的でないにしてもこれから外部からやってきて仕事をする場合、最も安定した業種が介護職というのは事実のようです。
介護は重要ですがそれだけで外部から人を戻したり流入を促すのは難しいでしょう。
観光資源を上手く活かせないかと思うのですが、散発的に施設とイベントがあるばかりで「面での展開」に繋がっていないように思います。
ま、ここからは妄想的に。この帰省中でつらつら思っていたことなどメモがてら。
古座川町ひいては和歌山県の南部は山地が多く、移動は山間を縫うようにしての車によるものがほぼ唯一の手段となります。
この特性からするとそもそも数十人からの団体を一度に受け入れること自体が困難です。
しかし、裏を返せば「数名〜10名程度のグループをしっかりと案内する」ことは可能なわけです。
こうした観光客には体験型・参加型のサービスの提供が効くように思います。
つまり、ただ座って飲み食いしながら景色や行事を眺めるのではなく、道具や装具を身に付け、実際に身体を動かして触れることが可能な観光サービスです。
実際に古座川ではカヌーの貸し出しと川下りは結構評判の良い観光コースとなっているようで、ほかにも熊野古道を初めとした山歩きのツアーはいくつも組まれています。
その1) 観光客自身が選べる豊富なコース(既定コースも併せて提示)
現在のどちらかといえば単発的に点在するサービスおよびサービスの拠点をある程度一元的に提示し、日程や予算と合わせて観光客が自分の見たい場所、体験したいサービスをチョイスして旅程を組める仕掛けを構築。
実際の顧客管理システムを持つかどうかは別として、点在するサービスを自治体の公認とし、公認サービスについては観光マップ等で一元的に把握できるものを用意(公民混合)。
この観光マップからいくつかの既定の旅行プランを設定して観光客に提示することで、既定コース“以外”にも観光スポットがあることをアピール。コースをカスタマイズすることができる仕掛けにする。
たとえば、
カヌーでの川下り → 宿泊「ぼたん壮」鮎づくしプラン → 鮎の火振り漁見学 という既定コースを提示し、これをカスタマイズして
カヌーでの川下り → 宿泊「一枚岩でキャンプ」 → (下った川を遡るような)山歩きコース
などと日程と観光客自身が観光スポットの一覧を見ながら観光先を入れ替えられるような仕掛け。
このことで、さまざまな観光スポットがあることをアピールし、「一度行ったことのある場所で別のことをする」というイメージを持ってもらいやすくする。
その2) 観光サービスの位置づけを意識する
たとえば景色を見たり写真を撮るような「静的な観光スポット」と、お祭りに参加したり、カヌーに乗ったりして参加・体験する「動的な観光スポット」を位置づける。
若年層やより少数グループ向けには「動的な観光スポット」が受けるだろうし、年齢の高い世代や小さな子供連れなどは「静的な観光スポット」のほうが良いかもしれない。
また、どちらの要素も含むものも多いと思うが、要は「面で展開する」観光の中でどのような位置づけにあるかを個々の観光サービスごとに明確にするということ。
もっと言えば、いわばリピーターの入り口である「(古座川観光の)初心者向け」サービスとリピーターのための「上級者向け」サービスを配置するのである。
その3)「動的な観光スポット」の増設
カヌーや山歩きのように観光客自身が体験できるサービスの間口を広げたい。
具体的なものの1つとして、地域のお祭りを準備から参加することができるかもしれない。
「火まつり/火焚きまつり」という神社の境内の真ん中で直径3mほどの焚き火をするお祭りがある。
大人が2〜3人で担ぐような丸太を火にくべて一晩中燃やし続ける祭りである。
これは地区の住民が毎年交代で火の当番を担当するのだが、住民の高齢化によってこの当番が負担になってきている現状がある。
これらの祭事の準備や運営に観光客が関わってもらうことで地元住民の問題解決も図る(地元住民はガイドを兼ねて指導・監督にあたり、祭りを運営する)。
無論、神事でもあるこれらのお祭りには外部の人間が立ち入れないところもあるだろうが。
もともとは
・間口の広い観光スポットともっと深い観光スポット(あわよくば移住の理由となるような)を用意する。
・これらの観光スポットを明示的に見せる。
ということを体系的にできないかということを考えました。
これは古座川町だけでなくどの自治体でも共通する考え方として。
そうすれば、観光客はその土地をもっと俯瞰して見て全体像を掴みやすくなるんじゃないかなと思うのです。
また、それぞれの観光スポットが全体においてどんな位置づけや役割を担うかを考えれば、サービスの仕方や人材の配置まで、サービス提供側が認識しやすいのではないか→つまり地域としてまとまりのあるサービスを提供できるのではないかというのが目論見。