D&D4e『この蟲はいつか見た蟲』

タイトル適当ですが。
2レベル対応の書き下ろしシナリオです。限りなく『ダンジョン・デルヴ』に近い構成で作成しました。

制御役が重複して防衛役が居ないので、第1回でウィザードキャラを担当した矢部氏がドワ作成の2レベルファイターを引き受けてくれ、以下のパーティ構成。

バファリス(エラドリン)/弓レンジャー/PL:T氏
“突き落としの魔女”ルーシー(ヒューマン)/ウィザード/PL:青エリカ氏
ガス・マスク(ハーフリング)/ローグ/PL:チャーリー氏
ヒューイ・F・O(ヒューマン)/ファイター/PL:矢部智ル氏
ナヴァ・レックス(デーヴァ)/シャーマン/PL:ゆか

昆虫標本の採集が趣味のドワーフの自然科学者が森の中でコレクションにない甲虫の死骸を発見した。
死骸は損傷が激しいので、この甲虫のキレイな標本(死骸でOK)を採取してきて欲しい。
また森に居るほかの蟲の類の死骸もキレイなものがあれば買い取る。

という依頼。

制限があって、蟲の類かつ[毒]キーワードのパワーをヒットさせないと標本に向かないので回収対象(報酬対象)とならない、とした。

[毒]抵抗や[毒]で二次攻撃をするものがあるので、実際のダメージは入らなくても[毒]で攻撃がヒットすれば報酬対象になるものとした(つまり、[毒]の準備やら[毒]パワーの使用強制で1アクション以上を使わせることが目的)。

で、[毒]キーワードのパワーなんてそうそう持ってなかろうからといって、錬金術の毒アイテムをいくつかくれるという塩梅。

長くなるので隠す

森の特定の場所から踏み込んで、植物相を頼りに森の中央を目指せというお話し。
特徴的ないくつかの植物が生えていないエリアは探索対象外なので、植物相をたどっていってね、という設定で森の中の進路やら迷う判定やらはなし(一応、レンジャーも居るしね)。

目標の蟲は「ロット・スカラベ」ということはわかったが、それ以上の情報は出てこない。


■第1遭遇
依頼者がくだんの蟲の死骸を拾ったあたりからさらに踏み込んだ場所。
ファイアービートルとスタージで小手調べ。D&Dでクラシックから出てるおなじみモンスターでもあるしねー。

ファイアービートルがいい具合に火炎噴射を吹きまくるがいかんせん命中は少ない。スタージもろくに命中しないのでそれほど苦労せずに遭遇は勝利。

ロット・スカラベ*1の生息場所だったが、範囲攻撃を持つファイアービートルが住み着いたのでそれを嫌がって森の奥に住処を移したという設定のアリバイ。スタージはおまけw

スタージは毒で倒しても報酬対象にならないとしていたが、結局この遭遇では毒は使わず。

■第2遭遇
デスジャンプ・スパイダーとストームクロー・スコーピオンの節足動物コンビ。
デスジャンプ・スパイダーの超長距離からの移動攻撃を活かす為に細長い地形を用意したが、ストームクロー・スコーピオンのつかみ攻撃と相まって予想以上に良いコンビネーションを展開。

ACが高いスパイダーだが攻撃値は低く命中は意外に少ない、対してACは低いが攻撃値が高いスコーピオンはつかみ攻撃などを展開するので、PCはどちらを優先して倒すか目移りした模様。これが長期戦に繋がってしまった。

スパイダーを重傷に追い込んでおきながらつかみ攻撃で思うように標的を変えたり位置取りできない前衛が途中でスコーピオンに標的を変更せざるを得ない。
また、前衛が動きづらいことで遠隔撃破をはじめとする遠隔組みに接敵を許してしまって四苦八苦。

バファリスが火力集中で各個撃破にかかり、ルーシーがサンダー・ウェイヴでクモとサソリをひとまとめに寄せ集めたところにガス・マスクのブラインディング・バラージやら毒スプレー噴射などでダメージ総量が一気に逆転してなんとか勝利。

ここで回復力回数が尽きたり日毎パワーを使ったキャラも居たので一度大休憩。

■第3遭遇
大きな岩(高台)の上にロット・スカラベの住処がありそうだがそれ以外のクリーチャーも居る様子。
そこで、そのクリーチャーに見つからないように高台の上に登攀する難易度2の技能チャレンジ。
1回失敗は出したもののあまり苦労なく登攀に成功。
失敗すると準備ができていない状態で戦闘開始(不意打ち)としたが、初心者向けを考えれば成功でアベレージがあったほうがよかったか悩みどころ。

ともあれ成功したので準備状態で第4遭遇の戦闘開始へ。


■第4遭遇
エターキャップ(噛み付き兵/クモの巣張り)の巣にロット・スカラベの大群が共生。
たぶん適当に近隣の動物やゴブリンの死体なんかを餌として提供してたものとする。
ロット・スカラベが巣の番犬代わりになるかどうかわからんが。


「エターキャップは人型のクモです!このクモは武器にグレートアックスを持っている!」
「蟲じゃねーじゃん!ばーか!ばーか!」
「いいえ、このエターキャップは“報酬対象”になります!なぜなら「(スパイダー)」って書いてあるから!」
「ばーか!ドワーフの学者のばーか!」


なんか知らんが区域祭りになりました。
エターキャップがクモの巣を投げつけると、ナヴァが先祖の霊が見守る区域やら嵐の区域やらを作成してエターキャップの巣がしっちゃかめっちゃか。

エター・キャップがクモの巣を投げつけて動けない状態になったPCにロット・スカラベが隣接し、オーラで毎ターンの最初に攻撃するというコンボ。

継続的[死霊]ダメージやら[毒]ダメージやら、動けない状態、拘束された状態やらが飛び交うD&D4eらしいパワー合戦。

で、巣の高台は40フィートの高さだったわけですが。。。

「サンダー・ウェイヴ!」
「・・・スォームって落下ダメージ受けるんかなぁ・・・・ぐしゃ」

ロット・スカラベに「飛行」移動速度があれば・・・・。

しかしまぁいい具合に重傷はバラまいたし一日毎パワーも切らせたりでバランスとしては白熱でした。


ロット・スカラベの大群は8レベルのクリーチャーとしてルールブックに掲載されていますが、さすがにそれはきついのでルールに沿ってレベルダウンを行って4レベル相当のデータを使用。

また、実際にはロット・スカラベは落とされても登ってきたりで結構しぶとかったのですが、それよりしぶとく何度も落とされたりしました。まぁ、範囲攻撃であるサンダー・ウェイヴのダメージ自体も大きかったこともありました。


かくして、依頼者のドワーフの家の玄関には、2体のエターキャップの「昆虫標本」が金剛力士像のごとくグレートアックスを振りかぶったポーズで両脇に置かれるようになりましたとさ(もちろん虫ピンで留められている)。

*1:目標は「ロット・スカラベの大群」で範囲攻撃に脆弱性を持つ