向ヶ丘遊園

Dowa2012-03-27

暖かくなるなる詐欺でまだ寒いです。
気温はそれほど下がってないのですがなんだか寒い。家の中が特に寒い。

午前中に洗濯などを片付けてお昼前に銀行など。
日用品などの買い物をして帰宅。


「寝たきり老人」のいる国いない国―真の豊かさへの挑戦

「寝たきり老人」のいる国いない国―真の豊かさへの挑戦

読了。
20年前の書籍ですが衝撃的。

デンマークを中心とした欧州の福祉の現状(当時)を軸にした高齢者・障害者福祉のあり方についてのドキュメント。

デンマークでも施設から在宅介護へ移行しており、20年前にはもう移行はほぼ終わっている。
といっても施設がなくなったわけではなく、施設自体の需要があるのは今の日本も同じ。


ただ、介護のあり方がこうも違うか・・・・。
読む限り、20年前のデンマークより日本の現状が劣っているとしかいいようがない。

介護者あたりの看護・介護職員の数からしてももう桁違い。
現在、国内の特別養護老人ホームでは、介護者1人につき利用者3人というのが「いいところ」の条件だと思われる。
しかし、これでも足りてるかといえば疑問だし、夜間は減るし、いろいろ考えると純粋に24時間を1:3で見られてるかといえば苦しいと思う。

本によるとデンマークは1:1。
そのほか、現場でのサービスの手厚さが根本的に異なるといっても過言ではない。。。らしい。

なにしろ20年前の内容なので現状がどうかほんとは調べたいのだけども、やりだすとキリがなさそうでなんとなく手が付かない。


で、現場での話しでもびっくりしたが、結局、福祉大国って制度がすごいのだなと。

これだけ手厚い介護をやろうと思ったら、当然、税率は高くなる。
が、国民1人あたりの税の還付率(社会保障給付)がまた高い。らしい*1


国民負担が高いがその分、社会保障給付も高くなるので国民の家庭の経済はそれほど圧迫されない。
移住した日本人によると税金は持っていかれるが、購入できるものや生活ではむしろ日本より豊かというようなインタビューも掲載されている。

高い税率で高い還付率なので国民は貧乏にならない。
国民が貧乏にならないから生産力は落ちない。
生産力は落ちないから国は貧乏にならない。

実に単純な図式。


難しいことはよくわからんのだけど、近代国家のあり方って、1つは福祉の力が問われるんじゃないだろうか。
軍事力と貿易の能力、というのがこれまでの国家の力の体現だったと言えると思うし、これからだってそのステイタス自体は残るだろうが、己の国民に対する福祉のあり方が国の力を示してその国が国たる質を保つための重要な項目になっていくんじゃないかとか、まぁ、希望的観測も含めてそう感じた。


あと、誰もが状況次第では「障害者」になり得る、障害者とは状態である。というような考え方が向こうのお国にはあるということも面白かった。だから高齢者や障害者も特別には扱わないし、そのときその条件において行動の不利がある、ということで本人も含めて上からも下からもなくそれを受け入れている。という考え方。

*1:だから、裏とってないんだけどね。この本に寄れば。