リプレイ

何年も前に、日本でもドラマ化されましたが、あれは原作に忠実ではなく、SF的設定を流用した別物でした。観てないけど。

一種のタイムスリップモノだけど、ここのところ観てきたタイムスリップもの*1のなかではギミックの突っ込みどころがもっとも少ない。


主人公のジェフは、突然、1988年の48歳の同じ日に死に、1968年の18歳の自分に戻るという一種のタイムスリップを繰り返す「リプレイヤー」(ジェフが自分でそう呼ぶ)になる。

戸惑いながらも、大穴の馬券、大リーグの賭博、投資、と未来の記憶を利用して財産を作ったり、大学時代のガールフレンドと結婚したり、さっさと別れてべつの女性と付き合ってみたり*2と、やり直し(リプレイ)の人生を生きていく。

そのうち、ほかのリプレイヤー「パメラ」などとも出会い、リプレイが開始する時間がズレていくことに気づく。死ぬ時間は同じだが、再生の開始位置がどんどんと遅くなるのだ。
最初は、大学のガールフレンドとのデートの日の朝、2回目は、その日のデート中、3回目はデートの帰りの(?)車の中、、、といったように。

一度変えた過去でも、再度リプレイされると「元」の過去に戻っている。ほんとにゲームのセーブのように。


こんなタイムスリップができればどうするだろう。
あの日の失敗を成功にしたり、あのときの行動でもっと良い結果が出るようにしたり、あの人に言った言葉を補ったり差し替えたり。
後悔や反省していることをもう一度やり直せたら。

読んでいてそう思わずにはいられない。


やり直せる人生。


しかし、そんな読者の「夢」または「悪夢」を覆す顛末でこの物語は終わっている。

ギミックからしてもあり得るオチで、プロット自体には気になるような矛盾点もない。
リプレイヤーがなぜリプレイするか、という謎には解答がなく*3、ホラー小説ぽい部分もあり。

*1:「ときかけ」「地下鉄に乗って」

*2:それなんてエロゲ

*3:リプレイヤーは存在する、というだけ