D&D3.5eキャンペーン【第6回】『既成事実』

九層地獄が迫ってきたキタ。

寒くて冷たかった前回はここ
そういやこのキャンペーンの前半は釜茹ででたいへんな目に会ったんだった。暖められたり冷やされたり、冒険者もたいへんだな・・・

“乗騎が相棒に昇格”エクセリオン:ファイター/ハーフリング・アウトランダードルイド(ハーフリング):PL/Terk氏
“安全地帯は口の中”マリスドメインウィザード(力術)/スペルシーフ/スペルウォープスナイパー(人間):PL/羽生氏
“治しとくから殴ってて”ヒルクレリック/レイディアント・サーヴァント・オヴ・ペイロア(人間):PL/yuka
“今日は眼前の風通しがいいわ・・・”ロンタン:ローグ/レンジャー/ダンジョン・デルヴァー(人間):PL/わし

“モザイク剣士”アーシェラの高名を聞きつけたというバードが一行に仕事を依頼してくる。

ここから3日ほど北上したアイゼンヴェイル男爵領の都市フロストヘイヴンから来たジェレミーと名乗るこのバードは、アイゼンヴェイルと因縁深いホワイト・ドラゴン「ハインターバイト」の退治を持ちかける。

ジェレミーは、これが単純なドラゴン退治ではなく、そこには少しややこしい依頼者側の事情があることを語るのだが・・・


長いので隠す。

ジェレミーが言うには、ハインターバイトは300年前にアイゼンヴェイル男爵を殺害し、それ以来、領地は吟遊詩人組合をはじめとする職人組合(ギルド)によって構成される組合評議会によって代理統治されている。

爵位につくにはその地位を示すロッドを所有しなければならないとされており、そのロッドは現在ハインターバイトによって持ち去られたままである。

男爵の子孫にオリールという女性パラディンが居り、ジェレミーは彼女の友人である。彼女が爵位を継ぐにはこのロッドを奪還しなければならないが、その奪還については予言によって制限が加えられている。

その予言とは、奪還者が

  • 仲間を連れていてはならない
  • よそ者でなければならない
  • 個人的な理由で奪還しなければならない。依頼や報酬を受けてはならない。

ということである。

オリールが街のために単独でロッド奪還に望もうとしていることを知ったジェレミーは、彼女に内緒で冒険者を雇い危険を排除することで彼女の安全を図りたいと考えている。


ということで、この依頼の件は彼女に内緒で遂行して欲しいというのである。

もちろん<真意看破>判定は軒並み残念なダイス目で、「へー、そいつわたいへんだー」。

5000gpの手形を見せられて、「はぁ、そんな事情があるんですかー」程度で事情を聞いて依頼を受ける方向で一行はフロストヘイヴンに向かう。


フロストヘイヴンにつくと、街は全体的に寂れて建物や道の手入れが行き届いていないくたびれた雰囲気が漂っている。


街中に踏み込むと壊れたままになっている橋の前でリュートを背負った初老の男性と鎧姿の女性が口論しているところに遭遇。


男性は吟遊詩人組合の長であるサディアス、女性のほうはオリール。
修繕されない橋についてオリールが組合評議会の長でもあるサディアスに意見を申し立てていたようだが、ともかくドラゴン「ハインターバイト」について聞いてみると、サディアスのほうは「あれは脅威ではない」と言い、オリールのほうは「非常に脅威であり、一刻も早く排除するべきだ」と言う。


ここはひとまずオリールのほうについていって、依頼の件は言わずにドラゴンの噂を聞いて退治に来た冒険者ということで情報収集。


ドラゴンは街から20マイルほどの山中にある城砦カーラックに住んでいるが、猛吹雪のため正面からは近づくことは容易ではないらしい。
そのため、谷間を縫っていく比較的安全なルートを教えてもらう。


街の周囲にはフロストジャイアン*1なども跋扈するという。オリールは撃退のために戦ったこともあるらしい。


かくして一行は一路城砦カーラックに向かうが、途中でウィンターウルフ*2の強襲に遭遇。
幅30フィートの谷底の両脇は切り立った崖が40フィートの高さでそびえており、その道の前後と崖上を、あわせて10頭以上のウィンターウルフが包囲。いっせいに飛び掛ってくる・・・・が大型が災いして入り込めない子が「(´・ω・`)」で待機したり。


しかし、こちらも前衛が突撃兵のエクセリオン一人なので後衛への壁がなくてイタイイタイ。
マリスがウォール・オブ・ファイア*3を立てて一方の崖側からの攻撃を防ぐが、ウィンターウルフはいったん崖を登って反対側に三角跳びして応酬。


ヒルダも接近戦で応戦するが足払いをかけられて転倒したり、機会攻撃があるため呪文詠唱がママならず苦戦。

エクセリオンはランスの間合いを活かしてダメージを稼ぎ、マリスが噛まれてこかされつつもライトニング・ボルト*4と「身かわし強化」を持ったロンタンを巻き込んだファイア・ボール*5で次々とウィンターウルフを屠り、ロンタンも位置取りに苦労しつつもなんとか挟撃での急所攻撃*6を乗せてウィンターウルフ隊を撃退する。


城砦カーラックに到着した一行を岩の塊を投げてよこす2体のフロストジャイアントが歓迎。

しかし、エクセリオンの突撃とマリスの呪文で1体を消し炭にし、もう1体は早々に降参。
話しを聞くと、一族でホワイトドラゴンを襲ったのだが返り討ちに会い、ドラゴンの下僕としてここで門番をしているという。


「逆らったら一族皆殺しなんだよぅ」とか言うのだが、ドラゴンを倒してくれるならこれ以上抵抗せずに通してくれるらしい。


ドラゴンの情報を聞くと、以下のことがわかる。

  • ハインターバイトと4匹の子供が住んでいる。
  • 城砦の螺旋階段の奥に洞窟への入り口があり、その奥が巣になっている。

フロストジャイアントたちは子供ドラゴン1体だと思って乗り込んできたところ、4体+父親ドラゴンだったためフルボッコに会ったらしい。


城砦に入ると建物自体は荒れ果てており、螺旋階段の途中の壁が大きく崩れて開口部になっているのを発見する。


奥に入るとさっそく4体のドラゴンが寝ている部屋があり、ロンタン以外は<忍び足>に失敗してドラゴンお目覚め→戦闘へ。


1体を除いてイニチアティブに勝った一行は、まずはエクセリオンの突撃。
マリスのファイアー・ボール、ヒルダのフレイム・ストライクで機制を制する・・・・つもりが[火]ダメージが微妙に効いていない*7。また、立ちすくみ状態*8のドラゴンに突っ込んだロンタンは攻撃を外してしまう。


次のラウンドでドラゴンの全力攻撃を受けるエクセリオンとロンタンはあっという間にピンチに。
ヒルダの治癒呪文をもらうために後退するエクセリオンだが、ドラゴンは洞窟の壁を「穴掘り移動」で追いすがってくる。
エクセリオンの動物の相棒「スメアゴル君」が無念の殉職。


壁の後ろで遮蔽とったはずがコレじゃあどうしようもなく、またドラゴンの全力攻撃の火力を止める術がないためマリスのテレポート*9で街まで撤退。


エクセリオンが「スメアゴル君Act.2」を召還するために24時間かかるので、ひとまず街で体制を整え、DMの温情*10にて1レベルアップして3日後に再度アタック。


マリスのヘイスト*11ヒルダのリサイテイション*12、レジスト・エナジー[冷気]*13などを準備して突入。

今度は最初からそのつもりで火力をぶつけ、畏怖すべき存在*14ヒルダのヒーローズ・フィースト*15で無効化。
被ダメはあるもののD&Dの理想的戦闘である派手目の短期決戦で勝利。


パパドラゴンの襲撃を恐れてダメージ回復だけ行ってそのままダンジョン奥に突入する。

奥には超大型サイズのホワイトドラゴン。
戦闘に突入するがこれがなかなか・・・・。


まずヒルダがディスペル・マジック*16でハインターバイトにかかっていた何かの魔法を無力化。エクセリオンは全力攻撃を食らいたくないので、攻撃したラウンドで攻撃範囲外に離脱できる特技をとって対応。
ただ、このためロンタンは急所攻撃を行うための挟撃が困難になってしまう。


ロンタンとしては《鎧通し》*17で攻撃を当てて「体制崩し」*18でACを下げることでパーティの打撃と接触系呪文などを支援したい方向。


果たして光線呪文を撃ったマリスがドラゴンの噛み付き攻撃によるつかみ攻撃で口に銜えられる。
しかし、全力攻撃を受けない位置でもあるためドラゴンの口の中から呪文を発動。エクセリオンも突撃と離脱でドラゴンのHPを確実に削る。


エクセリオンの動きに業を煮やしたドラゴンは、飛び上がってエクセリオンを押しつぶし、エクセリオンがピンチに!


口元のマリスが足元のエクセリオンにフリーダム・オブ・ムーブメント*19をかけてエクセリオンがドラゴンの足元から脱出。

そしてロンタンがそのエクセリオンの反対側に<軽業>で移動*20し、念願の挟撃状態へ!
まずは通常攻撃で急所攻撃を乗せた一撃。


しかし、ドラゴンの手番で全力攻撃がロンタンに向けられる。
噛み付きやら尻尾やら翼やらでぶん殴られ、あわやロンタン死亡かと思いきや、なんとドラゴンの爪×2の攻撃が両方とも出目「1」でハズレ。エクセリオンは挟撃の状態を崩さないためにその場に踏みとどまって全力攻撃でこれもダメージを与える。そして再び残りHP7点のロンタンの出番。

二刀流によるロンタンの全力攻撃でホワイトドラゴン「ハインターバイト」の巨体は崩れ落ちて絶命!


さて、調べてみるとドラゴンの胸には箱が埋め込まれ、そこにロッドが収められているのを発見。箱を開けてロッドを取り出し、洞窟を一通り探索してお宝ゲットする。
ここで組合評議会の焼印の入った木枠の一部などを発見するが、これが評議会がハインターバイトに貢いだものか、ハインターバイトが強奪したものかは判断がつかない。


あとでシナリオを読むと、ハインターバイトと評議会のサディアスは癒着があったようだ。
考えてみればドラゴンの襲撃はなかったし、300年前には評議会は存在していないので、ドラゴンが襲撃で木枠を得ているはずはないのだ。


街に戻った一行はオリールにロッドをどうするか相談。



予言のことがあるが、一行としてはそれはあまりどうでも良く、ロッドは市価6000gp程度なので売り払うつもりだと伝える。ただ、オリールにその気があればオリールに優先して売ることはやぶさかではない。


オリールはこの申し出を受けてロッドを買い取る。その一行をジェレミーが「報酬を渡すから」といって誘い出すのだが、ついて行った先でサディアスがその現場に登場し「おお、これはいったいどういうことだ?よげんどおりじゃないじゃないかー(棒」とか言い出す。
どうも評議会がオリールを引き摺り下ろして利権を守るために仕組んだ罠だった様子。


この件は女男爵オリールの正当性を問う形で市民に公にされ、オリールは窮地に立たされるが、ヒルダが一行を代表して民衆に演説する*21


「評議会の統治する街の建物や橋は荒廃し、フロストジャイアントの一族がフロストヘイヴンの近隣にとどまっていることを許している。これで民の生活は充分に守られていると言えるだろうか?否!これは評議会の力不足である!あえて言おう怠惰であると!

一方、フロストジャイアントと戦い、評議会の怠惰を指摘してきたオリールの潔癖は皆の知るところである。

どちらがこの土地の統治者としてふさわしいか決めるのは、果たして300年も前に書かれてカビの生えた予言であってよいのだろうか?

いいや!今現在の民の生活を守るのは古い予言などではない!現在を生きる民の意思なのである!

ここで今一度諸君等に考えてもらいたい!この街、この土地の統治者にふさわしいのは一体誰かということを!

立てよ民衆!民衆よ立て!郷土愛を怒りに変えて!ジーク・オリール!」


文章はちょーあと付けだが主張はこんな感じで。
サディアスとジェレミーに仕組まれたスキャンダルで敵対的だった民衆との<交渉>判定。

珍しくヒルダへの援助判定に全員が成功し、+6のボーナスを得たヒルダのダイスの出目は劇的な「20」。


民衆の態度は逆転してオリールは無事に女男爵となり、一行の名声はいや増すことになってグッドエンド。いやー、お疲れ様でしたー。


今回は前衛2名が不在ということで打撃戦できっつい展開を強いられました。
エクセリオンの突撃は3桁ダメージに手が届く大火力ながら、敵の足を止める壁がないため呪文を投げたいマリスとヒルダにも容赦なく敵が肉薄。

特に直接攻撃呪文を投げるマリスは足払いを食らったり組み付かれたりで良くまァ生き残ったもんだ。

次回は13レベルで『魔神神殿』に挑みます。

“ドラゴン・スレイヤーにして大陸一のオカマ”ロンタン・ソノワッキーと愉快な仲間達*22の次回の活躍に請うご期待!!

*1:クリーチャー。雪山巨人。族長はT.原(嘘

*2:クリーチャー。大きな狼。魔獣なので普通の狼とは違う。[冷気]ブレス吐いたり頭が良かったり。

*3:秘術呪文。炎の壁を召還。片面だけが熱い。

*4:秘術呪文。直線状に電撃を放つっちゃ!

*5:秘術呪文。おなじみFB教のシンボル呪文

*6:ローグの特殊能力。挟撃等の一定の条件下で弱点を突いて追加ダメージを与える

*7:魔法の指輪で[火]ダメージを軽減しているうえ、特技で脆弱性を克服していたことがあとで判明

*8:敵に気づいていなかったり、手番が回ってくる前の最初のラウンドに戦闘体制がとれていない状態。ACに【敏】ボーナスが足せず、ローグの急所攻撃の対象になる

*9:秘術呪文。瞬間移動

*10:前衛のアーシェラの中の人であるruwind氏が仕事で急に来られなくなったので戦闘バランスが狂っていた

*11:秘術呪文。加速状態になり全力攻撃時に追加攻撃、ACとSTにボーナス、移動速度に追加

*12:信仰呪文。ACと攻撃とSTに幸運ボーナス

*13:信仰呪文。特定エネルギーのダメージを一定量減じる

*14:クリーチャーの特殊能力。ドラゴンなどが持つ[恐怖]のオーラ

*15:信仰呪文。食べると12時間怖いものなしになる神様公認の成分不明アッパー系ドラッグフード。呪文詠唱は「英雄定食お待ちどうっ!」

*16:信仰呪文。魔法を打ち消したり抑制したりする

*17:特技。標準アクションで観察する判定に成功すれば、次の自分の攻撃で相手の外皮と鎧のACボーナスを無視できる

*18:ローグの代替レベルで取れる特殊能力。急所攻撃のダメージを一部あきらめて敵のACを下げる

*19:秘術呪文。移動を阻害する効果を無効化する

*20:機会攻撃を受けずに移動するため

*21:【魅力】が一番高いので

*22:なぜか次回の導入がロンタンからだw