青葉台
まだ7月なのにいわし雲。
週末に作ったいわしのなめろうは美味かったなぁ。。。
さて、先週の続きです(ええ!)
手に持った五徳でなんとか鋸クワガタの必殺の一撃を凌ぎはしたが、頼みの五徳の爪は2本も折られてしまった。
梅雨の夜のじっとりとした空気が部屋に満ち、ドワの背筋に一筋の冷たい汗が流れ落ちる。
「もういけない。。。」
ドワは、じりじりと迫るクワガタの息苦しいまでの殺気に覚悟を決めた。
「ふふふ、観念したか。今、わしの大あごがおぬしの首と胴を泣き別れにしてくれるわ」
クワガタの不気味に湾曲した2本の大あごが、地獄のあぎとのようにドワに向かってゆっくりと開かれた。
2本の大あご、、、そのときドワの脳裏にひらめくものがあった。
「こやつ、二刀流、、、ではないだろうか」
そのことである。
二刀流は死にフラグ、しかし、ただの肉体武器扱いである可能性のほうが高い。
それでもこの期に及んで一時の、いや刹那の余裕はない。
ドワは爪の折れた五徳を投げ捨て、拳を固めるとしゃにむに鋸クワガタの懐に飛び込んだ。捨て身捨て鉢の一矢であった。
「げぇ!」
ドッカ!バッキ!
「ばかなー!(T_T)」
「思ったとおり二刀流だったか!いや、もしかすると捨て身の攻撃が良かったのかもしれないな(^-^)v」
ドワはほっと胸のすく思いがした。
「ううぅ、先生!お願いします!せんせーい(;O;)」
「な、なにぃ!Σ(゜д゜;;;;」
そのとき、崩れ落ちる鋸クワガタの後ろからぬっと現れた影があった。
甲虫(かぶとむし)である。
常に抜き身の隆々とした一刀が、あたりの様子を油断なく探るかのように小さく左右に振れている。
「ここまで追い込んでおきながら捨て身に不意を突かれたか。ばかめ」
甲虫は倒れた鋸クワガタを踏み越え、ドワにその眼を向ける。
甲虫も大小の二刀流と言えなくはない。だが、その構えはまさしく一刀流のそれである。
「一難去ってまた一難、か。」
文体も、いつの間にか携帯小説風から時代小説風に戻っている。
ドワが一歩さがると甲虫が一歩前に詰めた。もう一度捨て身で懐に潜り込もうにも、正眼に構えた剛角には一分の隙もない。
おれはあの角に貫かれて死ぬのだ。凄惨な自らの死に様を思い浮かべ、ドワは再び絶望と戦慄を覚えた。
.............来週に続く。
先週の食客だったノコギリクワガタさんは週末にご実家のほうに帰っていきました。
と思ったら、今朝、ドアの前にカブトムシさんがご到着。この辺はどんだけムシキングやねん。
結構小さい個体です。全長50mmあまりでしょうか。
ペットボトルの宿舎に入っていただき、今週のうちのお客さんになりましたw