着物の始め方:浴衣でGO

反応があったのでいい気になったわけではないのですが、そういやこの時期だから浴衣についても書いておきます。もちろん男性向け。


昨日のエントリの「始め方」はいわゆる「ちゃんとした着物」を着るところから始めようという視点からですが、そもそも和服を着て過ごす時間を持ちたいだけならこの時期、浴衣を検討しない手はないと思います。


浴衣に必要なものは、【浴衣】と【帯】、【履物】だけです(最低限)。
履物は草履か下駄が無難ですが、サンダルをあわせても良いのでは?

あとは【ステテコ】があればなお良し。【手ぬぐい】の重宝さは言うに及ばず。


浴衣と着物の違いははっきり言ってあまりありません(知らないだけかも)。
基本的な形は同じで、着物より若干短めが適正のサイズになることと、おそらく縫製の仕方がところどころ違うくらいでしょう。たとえば、腰のあて布がある浴衣はあまりありません*1

なので着付けの仕方も基本的には同じです。
ただ、浴衣の場合は襦袢はつけず、素肌の上に着るか肌着だけを着ます。
ちょっと出掛けるならTシャツ(U首シャツ)などは着たほうがよいと思います。汗で張り付いたり、はだけて人前で肌を見せてしまうことになりかねないので。

あと、風があると結構涼しいので、冷えすぎないためにも。


角帯の場合は、帯の結び方も着物と同じです。浴衣用というわけではありませんが兵児帯というものもあります。これならもっと簡単に結べます。


浴衣を着るときに一番重要な点は、ズバリ、「木綿の浴衣にしとけ」ってことです。
こればっかりは化繊はやめとけ。そして、可能であればプリント生地のものもやめたほうが良いです。


プリント生地というのは柄や色をあとから生地に印刷しているもの(たぶん*2)。
なんか表面がパリパリで、何度か洗ったくらいではパリパリがやわらかくならない生地です。
吸水性もよくなく、汗でべったりと貼りついて真夏は着ていられるものではないうえに、風通しもよくないので全然涼しくありません。


発色が良く鮮やかな色の花の絵などが入れられるので女性は選択肢に含めてもよいのかもしれませんが、男物はそんな派手な柄はあまり浴衣には使わないので男性浴衣でプリント生地を選択するメリットは感じません。良いの安いことくらいです。

やっぱり着心地がいいのは「綿コーマ地」「コーマ地」などと言われる木綿生地のものです。昔ながらの浴衣生地で、なじむと柔らかく吸水性も良いもの。ただし、最近はちょっとお高いようです。


お手入れは自分でも洗えるので着物より手軽。
型崩れを避けるために畳んでネットに入れて「手洗い」などの設定のある洗濯機でも洗えます。

普段のお手入れは、畳み方を知っておいたほうが良いと思いますが、着物と同じように畳めるので着物入門としてもうってつけ。


帯は普通の角帯でOK。選べるなら細めのものかあまり幅の広くないものを選んだほうが良いかも。
浴衣は丈が短めなので帯だけ太いとちょっと不釣合いです。


浴衣で出歩くのは寝巻きで出歩くようなもの、とか言う人も居ますが、最近は夏場であれば浴衣姿で観劇に来たり遊びに出てきたりしている人も結構見かけます。
花火大会の前に買い物や食事に出たりするのも浴衣姿でという人は多いんじゃないでしょうか。

*1:この点は経験上。あるものもあるかもしれないし、逆に無いことが和裁の常識なのかも

*2:染め抜きとはまた違う